アンチエイジングの100式> “年齢を受け入れる”効用

“年齢を受け入れる”効用

“アンチエイジング”の“アンチ(anti )”とは“反対する、対抗する”という意味で、そのまま訳すと“エイジング(aging ):年をとること”と反対の若返りの方向を目指して努力することのように思えますが、実際には微妙に異なっています。

それは、正しくは“時計の針をとめること”や“時計の針を逆に戻すこと”ではなく、“時計の針の速度をゆるめる”ことなのです。

速度をゆるめて身体や心を取り巻く環境を改善することによって、本来の力が例えば10あったものが5しか出せていなかったら、例えばその美しさは5から10になったり、健康の度合いが5から10になったり、こころの状態が3くらいで悪かったのが、改善されて10くらいになったりしますが、それはその時点での本来の自分の状態なのであって逆戻りしたわけではありません。

人間は年をとる速度をゆるめることはできますが、年をとるのを止めることはできません。

優秀でしかも努力家でなんでもひととおりこなしてきた女性というのは概して、いつも完璧で“ダメな自分”“弱い自分”を受け入れることができません。

“セルフイメージ”も高くマンネリ化した状態に満足できずに常に新たな目標を立てて自分を伸ばしてきたために、自分に対して厳しいものです。

その彼女たちにとって“年をとって美しさが衰えていく”という自分が望まない状態を受け入れるのは普通の女性よりずっと大変なようです。

「顔もきれいでスタイルも良く、頭も良くて性格もいい・・・・・・」と、私たち普通の女性にとってはうらやましくて仕方がなくなるようなすべてにおいて恵まれた女性がいましたが、彼女の「かつての外見上の美しさがなくなってしまった」ということに対する挫折感は強く、一時は鬱状態から抜け出せないようでした。

「美人は得だ」と思っていた私たちは彼女を見て、“美人という自覚があって他の人たちからも美しいと言われ続けてきた女性”の大変さを垣間見たような気がしました。

・・・・・・“弱い自分”“ダメな自分”“自分の望まない自分”を許せない・・・・・・けれどもそれはどうあがいても自分自身であるとき、目の前の壁はとても自分に乗り越えられるような高さには思えません。

彼女はおそらく、“加齢という望まない現実の中にいる弱い自分”を受け入れて自分の弱さを許せるようになったときに、同時に人の弱さを受け入れることのできるゆとりができ、客観的に自分をみつめることができるようになるのでしょう。

そしてその時点で新たな希望が生まれてきてあんなに高かった壁もひとまたぎで越えることができる高さになっていることでしょう。

同時に、強くて優れたものしか受け入れることが出来なかったこころに、ゆとりというあらたな空間が生まれて以前よりものびのびと生きている自分に気付くはずです。